独りよがりを治す気はない

日常的な思考整理手帳

2018/4/19 #5 見ず知らずの小学生から受けたボディブロー

 

 

「なんでそんな仕事選んだと?」

 

 

さっきまでカメラに写して写してーと散々喚いていた小学生の一人がカメラマンとディレクターと自分に問いかけてきた。

 

 

和やかにカメラマンが「カメラが好きだからだよ」と答えると少年は「えーそれって人の為になっとると?好きな事ばっかりやってちゃいかんよ」と言った。

 

 

続けて「僕は消防士になりたい。人を助けるからね。人の為に役立つ人になりたいからね。」と言った。

 

 

大人の対応でディレクターもカメラマンも凄いなぁと、大人だなぁ、立派やねぇと笑うしかなかったが、自分は内心穏やかではなかった。まさか派遣社員4日目でこんなボディブローを喰らうなんて思ってもなかった。

 

 

小学校にカメラアシスタントとして、取材に同行したのが一昨日である。研修が終わり、初めての取材が小学校だなんて皮肉なもんだなと心の中で思っていた矢先にこれである。

 

 

笑って流す事しか出来なかったし、真面目に答えるのも言い訳しているようで気恥ずかしいし、大人という立場を使って乗り切るしかなかった。

 

 

恐らく職業と呼べるものは全て人の役にたっている。経済学的には外部不経済というワードもあるが、それでも多くの人が助かっている現実がある。

 

 

それにしてもこの「人の為に」というワードは非常に耳に残る。小学生に言われたのだから尚更だと思う。

 

 

きっと発した彼もクラスではおちゃらけて人に迷惑を掛けているだろうし、お母さんやお父さんに怒られている事もあるだろう。そんな感じの雰囲気を醸し出している小学生だった。しかし、そんな彼でさえも「人の為に」生きようとしている事が素晴らしいと思った。

 

 

いかに自分が自分の為に生きようとしているか、それが恥ずかしくて悔しくて堪らない。

 

 

「人の為に役に立ちたい」という思いで音楽活動しかり、音響の仕事もしかり、このカメラアシスタントもしかり出来ているかと言われると不貞腐れてしまう。

 

 

もちろん全く思っていない訳ではないが、小学生に言われてハッとする程度にしか思ってない時点でお察しである。本当に好きな事しかやってちゃいかんねと思う。その通りだ。

 

 

少しばかり気を入れ替えてみることにするよ、自分はまだ人の役に立ててないし本当に人に迷惑しかかけてないし、恩も金も返せてない、それも一度で返せるような量じゃないから、少しずつでも身近な人から返していくよ、とあの場で言えなかったことがただただ悔しい。

 

 

見ず知らずの小学生から受けたボディブローがジワジワとまだ痛むがとりあえずここで終わる。

 

 

ではでは

 

 

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